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日本企業の進出によって好印象!タイ人にとっての日本人とは?

日本からタイまでは直線距離で4,315km。国土面積は約514,000k㎡で人口は約7,160万人。東南アジアの中心に位置し、全ての地域が熱帯気候に属します。日本のように四季はなく、11月~2月の乾季、3月~5月の暑季、6月~10月の雨季に分けられます。通年暑いのには変わりありませんが、最も過ごしやすいといわれているのは乾季。旅行もこの時期に行くのがベストだとか。そんなタイは、東南アジアで最も日本企業の進出が多い国。今回は「日本企業の進出で好印象!日本大好きなタイ人」について深掘りしていきたいと思います。

 

東南アジアの中心地 タイ

まずは「タイ」の基本情報について。

【タイの成り立ち】

13世紀ごろ、タイは幸福の夜明けと名づけられた「スコータイ王朝」からはじまります。スコータイ王朝は、タイ北部を統治していた「ラーンナー王朝」と同盟を結び、勢力を強めていきました。しかし、北部から台頭してきた「アユタヤ王朝」によって滅ぼされ、200年にわたる一大王朝は終わりを告げます。以後、アユタヤ王朝は貿易を中心に栄え、約400年の長きにわたり統治を続けていきます。しかし隣国であるビルマとの戦争に敗れ、タークシン王による「トンブリー王朝」へと引き継がれることになりますが、トンブリー王朝時代は戦争が絶えず、わずか15年で幕を閉じることに。その後即位したラーマ1世は内乱を鎮め「チャクリー王朝」として、現在もその歴史を紡ぎ続けています。

【タイの国旗の意味】

赤、白、紺色の35本の横縞から成る三色旗。別名「トン・トライロング」。王朝史上初の海外留学を果たした国王ラーマ6世によってデザインされたとか。赤は「国家」と「国民」を、白は「仏教」を、紺色は「王室」の意味が込められています。白が仏教を意味する理由は、建国神話に登場する白い象にちなんで、また紺色は国王の誕生日の色だからだそう。中央に配された王室を意味する紺色の帯は、他の4本よりも2倍の幅があります。

【民族】

多民族国家ですが、大多数(約85%)がタイ族です。その他、華人系、マレー系、インド系、カンボジア系などを中心に様々な民族で構成されています。

【言語】

公用語はタイ語のみ。タイ語といえば、記号のような文字を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。日本人からするととても読みづらく、習得までに時間がかかるようです。また、タイ語の特徴として男女で丁寧語の言い方が変わり、男性は「クラップ」女性は「カー」という言葉を語尾につけます。例えば「ありがとう」という意味を持つ「コップン」ですが、男性が言う場合は「コップンクラップ」女性の場合は「コップンカ―」となります。

【宗教】

信教の自由は保障されているものの、90%以上の人が仏教を信仰しています。(その他はイスラム教)日本も仏教が盛んな国ですが、実はタイの仏教と日本の仏教は異なる系統です。日本の仏教は中国、韓国、ベトナムなどの北方を経由して伝わってきた「大乗仏教」です。しかし、タイの仏教は、スリランカ、カンボジア、ビルマ、ラオスなど南方を経由して伝わった「上座部仏教」。「大乗仏教」は誰でも成仏できる、誰でも悟りを開くことができるといわれている一方で、「上座部仏教」は出家して悟りを開いたものだけが救われると説いています。

【国花】

黄金の藤といわれている「ドーク・ラーチャプルック」。日本での名前は「ナンバンサイカチ」。特徴は日本の藤のように花房が垂れ下がっているところ。しかし、日本の藤が持つ落ち着いた印象とは違い、ドーク・ラーチャプルックはとても華やか。英語で「ゴールデン・シャワー」と呼ばれ、花の下に立つとまるで金色の雨が降り注いでいるように感じられます。開花期は2月から5月。「ドーク・ラーチャプルック」はタイの誇りとして広く愛されています。

 

 

 

タイに進出している有名日本企業

アジアマーケットのハブとなっているタイには、多くの日本企業が進出しており、その進出成功率は約80%ともいわれています。食品では「味の素」、小売りでは「イオン」、電機では「東芝」や「キャノン」「パナソニック」、金融では「三井住友銀行」や「三菱UFJ」、航空は「ANA」などが挙げられます。その他、農機メーカーの「クボタ」や空調機「ダイキン」など、私たちの生活に欠かせない企業の多くがタイに進出しています。

なぜそんなにも多くの企業が進出するかというと、タイは世界への輸出拠点としてパーフェクトだから。アジア周辺国や世界進出に向けた「ハブ」として機能することが一番のメリットです。他にも、健康ブームが高まるタイでは「和食=ヘルシー」というイメージからか、日本食が大人気。さらにその日本食から日本への興味、関心へとつながり、タイの日本マーケットは拡大し続けています。そしてやはり、低コストで進出可能というところも理由のひとつ。タイの人件費は日本人のおよそ4分の1。オフィスなどのレンタル料も日本よりも安く、他のアジア諸国に比べても安価だそう。

タイ人にとっての日本人

タイにいる日本人駐在員は7万人を超えるといわれ、そのほとんどがバンコクに集中し、日本人街と呼ばれる地域に居住しています。そのエリアには、日本人向けの学校やレストラン、病院なども多く、ショッピングモールが充実し不便さを感じさせません。そこでタイの人たちは、日本人の礼儀正しさを身近で感じているそうです。日本では、飲食店を出る際に「ごちそうさまでした」とあいさつする光景をよく見かけますが、海外ではそのような習慣がないことから、帰り際の軽い挨拶にも感動してしまうとか。日本人らしい優しさや親切心などの小さな行動が、現地のタイ人に好印象を与えているようです。

また、タイでは日本のアニメや映画が放送されています。普段から日本の映像に触れる機会が多くあるようで、バンコク市内の雑貨店では日本のキャラクター商品や有名人のグッズが販売され、特にアニメは人気のようでタイ語に翻訳されて流通するほど。そんなアニメへのわくわく感、日本アイドルへの憧れが、日本の好印象につながっているようです。

 

いかがでしたでしょうか。

王室国家のタイは、王室を敬う気持ちが非常に強いのが特徴です。そのため、タイの王室と親交が深い日本に対しても非常に良い印象を持っています。なんと、親日家の割合は世界№1といわれるほど。有名な日本企業も多数進出し、日本人にとっても住みやすい国なのではないでしょうか。

みなさんがタイと聞いて連想するものはなんですか? 次回は「微笑みの国タイ」にきっと行きたくなる、タイの料理やお菓子、雑貨なについて深掘りしていきたいと思います。お楽しみに。

 

 

Text by yumeka