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日本人も見習うべき!? 世界が驚く台湾人の素敵

みなさんは日本が世界と比べてどれくらいゴミを排出しているのか知っていますか? ゴミの排出量は、各国の人口や面積などさまざまなデータに基づいて発表されています。実は、ごみ排出量ランキングで上位になってしまうほど、日本はゴミ問題を抱えている国なのです。また、適切に処理されなかったプラスチックによる海洋汚染や、製造、焼却時に出る二酸化炭素の増加による地球温暖化などの問題から、現在世界中で脱プラスチックの動きが加速しています。そこで注目すべきが台湾のゴミに対する活動なのです。

今回は日本も見習うべき「ゴミ問題から紐解く国民性」について深堀りしていきたいと思います。

台湾のゴミ事情とはいかに!?

台湾の環境といえば、なんとなく不衛生なイメージを持つ方も多いでしょう。おそらく台湾に旅行した人が最も嫌な思いをするというトイレ問題からイメージしたのではないでしょうか。台湾のトイレは、汚い汚くない以前に配管が狭いといった理由から、トイレットペーパーを流すことができません。どうするかというと、使用したトイレットペーパーはゴミ箱に捨てます。普段当たり前に流している日本人からしてみれば、精神的に参る行動でしょう。しかし、ゴミ箱に捨てる行為は台湾人にしてみたら配管を詰まらせないための配慮なのです。そこから「汚い」といったイメージを持つのは少々失礼かもしれませんね。では、実際に台湾のゴミ問題はどうなっているのでしょうか。


【音楽が合図!? まさかのゴミ出し事情】

みなさんベートーヴェンの曲「エリーゼのために」はご存知ですか? 実はこの曲、台湾人にとって、ある行動の合図として親しまれている曲なのです。台湾にはマンションなどの集合住宅以外にゴミ回収場所がありません。そのため、指定の時間にゴミを捨てに行かなければならないというルールがあります。「エリーゼのために」は、そのゴミ出しの合図というわけです。数十年前まで日本と同じようにゴミ回収場があったようですが、日本ほど衛生管理の行き届いていない台湾の街では、路上にゴミを置くことによってネズミやゴキブリなどが大量に寄ってきてしまうのです。そのため回収方法をこのように変えたのだとか。ただ、なぜこの曲が使われるようになったかは諸説あり、謎に包まれているようです。

【エコな国!ゴミ削減への取り組み】

政府が主導して積極的にゴミを削減している台湾。有名な取り組みとして、飲料店へのマイボトルの持ち込み。これは、マイボトルの持ち込みで5台湾ドル)約20)割引くという制度です。飲料店が多いといわれる台湾で消費されるカップの数は年間約20億個。つまり1人あたり約100杯分のゴミが出るという計算に。そこで消費者にマイボトルを持ち込むメリットを与え、飲料店のごみ削減につなげました。

【お持ち帰りでお残しゼロ!?】

世界中に小籠包を広めた名店として有名な「鼎泰豊(ディンタイフォン)」や、台湾の朝食として外せない、干しエビやザーサイ、青ネギなどの具に温めた豆乳を入れた「鹹豆漿(シエンドウジャン)」、屋台でよく見る庶民的な煮込み豚丼かけごはん「魯肉飯(ルーロウファン)」など、旅行に行ったら台湾の食は楽しみのひとつですよね。そんな外食することが当たり前な台湾では、ある取り組みから食品の廃棄を抑えています。それは、食べ残しの持ち帰り。注文しすぎてしまったり、思った以上に量が出てきたりして食べきれなくなっても大丈夫。店員さんに伝えれば、ビニール袋や紙の包などを用意してくれ、それに入れ持ち帰ることができます。ご飯ものからスープまでさまざまな食べ物を持ち帰ることができるので、ゴミ削減につながっているというわけです。

国民全体で環境問題に取り組む

 


空気汚染、水質汚染、温暖化など、環境問題への意識も非常に高いと言われる台湾。日本でも、レジ袋の有料化やラベルレスペットボトルなど、プラスチック製品削減を目標に取り組んではいますが、台湾の環境保護制度は日本よりもはるかに進んでいます。2002年には既に無料レジ袋の削減に向けた政策が進み、2013年にゴミ袋にも使用できる両用タイプのレジ袋の提供も始められたとか。さらに、店内飲食ではストロー提供の廃止も定着してきているようです。他にも、街中にある飲料水サーバーを探すことができるゲーム感覚のユニークな地図アプリも注目を集めています。また、企業が飲料水の提供場所としてスポットに登録することで、イメージアップや宣伝効果も期待できるといいます。現在は、台湾の大型スーパーや大手通信会社などが積極的に飲料水を提供しており、ペットボトル飲料の減少につなげています。この活動と似ているのが、無印良品の「水プロジェクト」かもしれません。毎回ボトルを捨てるのではなく、水を詰め替える、1日1本でも空のペットボトルを減らすところから持続可能な社会の一歩を目指そうといった取り組みです。マイボトル用のお茶の粉末なども販売されており、たびたび利用している人を見かけます。他の国のゴミ対策への取り組みを、日本でも少しずつ取り入れていけば、より早く明るい未来につながるかもしれませんね。

台湾人は柔軟性に優れている

路上にゴミを置くことによってネズミやゴキブリなどが大量に寄ってきてしまうから、回収方法を変更しようという動きにも、柔軟に対応する台湾人。メロディーが流れてからでないとゴミを出しにいけないという不便さがあるのにもかかわらず、国民はそれにしっかりと従います。他にも、マイボトルやマイ箸、マイストローなど、様々な取り組みに柔軟に対応しているようです。

【周りの目は気にしない】

日本ではよく「世間体が悪い」などと言いますが、それは他人の目を気にする日本人ならではの文化です。そのようなことから敬語、尊敬語などと言葉として表れている点もあるでしょう。一方で台湾は、礼儀作法や言語形態などにそのような文化を感じません。人目を気にするといった文化がないようにも思います。例えば前述した食べ残しの持ち帰り。日本で袋に入れて飲食店の食べ物を持ち帰っていたら、ちょっと不思議な目で見られてしまいそうですし、持ち帰った方が…と思っても店員さんに言い辛いですよね。そのような点も日本人と比べ、台湾人の柔軟性がうかがえます。


いかがでしたでしょうか。

今回は、「台湾人の素敵」についてご紹介しました。

世界中で取り上げているゴミ問題にも国民全体が意識し積極的に取り組んでいる台湾。温暖な気候からおおらかな人も多いといわれています。

台湾に対する理解を深めて、今後もいいお付き合いをしたいですね。

 



Text by yumeka