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魅力がたっぷり詰まる国 マレーシア! 移住希望者続出の理由とは?

エキゾチックな文化、雄大な自然、美味しいグルメ… アジアは魅力にあふれています。旅行先として特に人気のマレーシア、台湾、インド、シンガポール、タイ、ベトナムの6か国の特徴や見どころをご紹介します。今回は今も昔も移住者に大人気な多民族国家・マレーシアを巡りましょう。

魅惑の国マレーシア

東南アジアの中心に位置するマレーシア。面積は約33万平方キロメートルで日本の面積の9割弱。国土の約60%は熱帯雨林で覆われています。長い歴史の中で、友好関係を築いてきた日本とマレーシア。そんな「魅力がたっぷり詰まるマレーシア」について深堀りしていきたいと思います。

1957831日、マレーシアの前身であるマラヤ連邦が独立を宣言したその日に、外交関係をスタートさせたマレーシアと日本。それ以降、緊密な友好関係を築き、2017年には外交樹立60周年を迎えました。しかしよく調べてみると、日本とマレーシアの歴史はそれ以前の16世紀から始まっていたとか…。当時、マレー半島南部の港町・マラッカを経由してキリスト教や鉄砲が日本に伝わったといわれています。その後17世紀には、朱印船による交易の記録が残されているとか。また20世紀初頭になると、ゴム栽培や鉄鉱石の採掘や漁業に携わる多くの日本人がマレーシアを訪れ、中には移住した人もいたそう。現在も海外移住する人の多くがマレーシアを希望するようです。 


マレーシアの基本情報

【マレーシアの成り立ち】

夕暮れ時のマラッカ川の旧市街。マレーシアのユネスコ世界遺産

マレーシアが世界の表舞台に登場し始めるのは14世紀後半のこと。1396年インドネシアのスマトラ島パレンバンの王族が新天地を求めてマレーシア南部にマラッカ王国を建国しました。世界中で海上貿易が盛んになっていく中で、インド洋と南シナ海の中心に位置し立地の良いマラッカ港は大繁栄。マラッカ王国はその立地から貿易港として発展し始めることになります。しかし、1511年になるとマラッカ王国はポルトガルに侵略され、統治されることに。さらに1641年から、オランダ統治と続きます。しかし18世紀になると大航海時代は終わりを迎え、ポルトガルとオランダの力が衰退。その後1896年にマレー半島のほぼ全域がイギリスの統治下に。そして第2次世界大戦後、約3年間に及ぶ日本の統治を経た後はまたイギリス統治へと移り、1957年ついにマレーシアはイギリスから独立を果たします。イギリスから独立するまで、常にどこかの国の統治下にある歴史を歩んできたマレーシア。歴史は長いですが、国としての年月は浅いようです。


【マレーシアの国旗の意味】

マレーシアの国旗は赤と白のストライプに黄色い月と太陽が入ったもの。「栄光のストライプ」というニックネームが付けられています。赤・白・青の3色は、イギリスの植民地だった歴史からユニオンジャックに由来しているそう。また、青には多民族国家団結という意味も込められているとか。ストライプの数は14本で、独立時の州の数を意味しています。月と星はイスラム教の象徴です。


【民族】

単一民族である日本とは異なって、マレーシアは多民族国家です。2022年のマレーシア統計局の結果によると、先住民15%を含むマレー系約70%、中華系約23%、インド系7%。


【言語】

マレー語、中国語、タミール語、英語を話します。多民族国家ではあるものの、マレー系の住民が7割近くを占めているため、住民の会話や看板のほとんどにマレー語が使われています。


【宗教】

2022年マレーシア統計局の結果によると、イスラム教(連邦の宗教)64%、仏教19%、キリスト教9%、ヒンドゥー教6%、儒教・道教等1%、残りはその他。各宗教の人口構成は、民族構成とほぼ対応しているようです。

イスラム教の掟は、豚肉を食べてはいけない、お酒を飲んではいけない、15回のお祈りと金曜日の拝礼、女性は髪の毛や肌を露出してはいけない、ラマダン(断食)が1年のうちに1ヶ月あるなど、日本人の私たちからすると驚くことばかりかもしれません。ですが、マレーシア人からすると当たり前のこと。イスラムの教えに忠実に従っているからこそ、国が成り立っているのかもしれませんね。


【国花】

マレーシアの国家は「ハイビスカス」。5つの花びらはマレーシアの5つの方針を表しているそうです。5つの方針は以下のとおりです。

  • 神への信仰
  • 国王及び国家への忠誠
  • 憲法の遵守
  • 法による統治
  • 良識のある行動と徳性





     

マレーシア人は怒らない!?

マレーシアは、時間の流れがとてもゆっくりと感じられる穏やかな南国気質な国。良く言えばのんびりしている、悪く言えば時間にルーズ、ダラダラしているといった印象を持たれるでしょう。

オーダーしたコーヒーを忘れられても、バスが予定通りに来なくても、マレーシア人にとって、それは日常茶飯事。誰も怒りません。どうやらこれは宗教と深い関係があるようです。イスラム教徒は、怒りを外に出す人のことを「感情のコントロールができない人」「かわいそうな人」と思うとか。親は子供に勇敢さや素直さ、人に優しく接することの他に「怒りを抑えること」を教育するのだそうです。そのため、街を出歩いても子供に怒鳴っている親を見かけることはほとんどありません。そして、一般の人にレストランで一番嫌う行為は?という質問をすると、半数がウエイターに無礼な人と答えるとか。

礼儀正しくフレンドリーで温かい人が多く住むマレーシアですが、中にはよく怒る感じの悪い人もいるそう。しかし、怒りをあらわにするマレーシア人は、周りから品がないと軽蔑されてしまうようです。

マレーシアの教育文化

マレーシアは多民族国家です。一般的な学校を例に挙げて紹介します。マレーシアの教育文化は少々複雑で、初等教育(日本でいう小学校)6年間と5年間の中等教育(日本の中学1年~高校2年)が前期3年・後期2年と分かれます。また、学校の授業をこなすだけでは卒業資格を得られません。

初頭教育終了時には、全国統一試験UPSRを受ける事が必須で、この結果で自分のレベルに合った中等教育機関へ自動的に振り分けられます。そして、前期中等教育終了時に全国統一試験PMRを受験。この成績により、理系に進むか文系に進むかが決まるそうです。最後にSPMという試験があり不合格の場合は卒業資格がなくなります。実際に卒業資格をとれずに辞めてしまう人も多いとか。しかし、就職する際にSPM保持者でないと応募できないことが多くあるようです。

また、大学進学を目指すにはSPMに合格し、クレジットと呼ばれる一定以上の成績、履修証明と履修単位が必須。Form6という大学予科に1年~2年通い、Form6の終わりに大学への入学資格証明となるSTPMを受験します。このようにかなり複雑な教育文化となっており、日本と違い成績が人生において重要のようです。

 

いかがでしたでしょうか。

今回は、マレーシアの基本情報や国民性、教育文化についてご紹介しました。時間に追われ、せかせかイライラしてしまっている私たち日本人。マレーシア人の感情コントロールは、見習うべきかもしれませんね。

 

次回はマレーシアの料理や一般常識について紹介していきたいと思います。お楽しみに。



Text by yumeka