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インド人と日本人は正反対? 異なる文化を知って理解を深めよう

世界第7位の広大な国土で、南アジアに位置し、ネパールやバングラデシュ、ミャンマーなどの国と隣接しているインド。面積は約3287000k㎡で人口は約14億人。人口減少に突入している日本と異なり、インドの人口はこれまで最多だった中国を抜き、2023年世界第一位に。そんなインドは神々と信仰の国として、世界中から訪れる人が絶えない観光地としても大人気。今回は「似ているようで実は正反対な日本とインド」について深掘りしていきたいと思います。

インドってどんな国?

まずは「インド」の基本情報について説明していきます。

【インドの成り立ち】

インドの歴史は、紀元前2500年ごろにまでさかのぼり、大きな区分として「インダス文明⇒ヴェーダ時代⇒マウリヤ朝」と時代が変化していきます。インダス文明は、その名の通りインダス川周辺で栄えた文明のこと。パンジャーブ地方にある「ハラッパー」などの遺跡が知られていますが、インダス文字が未解読ということもあり、詳細がはっきりしていません。ヴェーダ時代は、中央アジアからアーリア人が侵入し、独自の文化を持ち込み、都市が発展するなど社会が大きく変化した時代。その後、諸部族間で争いが勃発。紀元前4世紀後半、ナンダ朝マガダ国をチャンドラグプタが打倒し、インド初の統一王朝であるマウリヤ朝マガダ国が成立。紀元前3世紀には最盛期を迎えますが、紀元前2世紀に滅亡してしまいました。マウリヤ朝の滅亡後、クシャーナ朝が進出するも、サーサーン朝による遠征を受けて衰退、滅亡します。17世紀ごろになると、ヨーロッパ各国がインドに影響を及ぼし始め、まず、東インド会社を設立したイギリスが、次第にインドへの支配を強めていきます。19世後半には、インドはイギリスの統治下に。20世紀に入り、2度の世界大戦を経てインドはイギリスから独立を果たします。長い歴史の中で、さまざまな影響を受けながら進んできたインド。独立から70年以上経た現在でも、イギリス統治の名残を感じることもあるとか…。

【インドの国旗の意味】

サフラン色(オレンジ)はヒンズー教を表し、緑はイスラム教を、白は平和を表しています。中央の紋章は「チャクラ」といい、3世紀頃のインドの神殿の柱にある飾り物のこと。24の車軸は1日の時間を表しているそうです。

【民族】

単一民族である日本とは異なり、アーリヤ族やドラビダ族、モンゴロイド族など、461の民族からなる多民族国家です。

【言語】

14億人もの人々が暮らすインドですが、公用語であるヒンディー語を母国語とするのは4億人程度。ヒンディー語は中国語や英語に次いで、世界で3番目に多く話されている言葉です。しかし、インドの残りの6割はインドで話されている約460もの言語のいずれかを使用しているそうです。国の規模が違うと、話す言語の数も膨大となり圧倒されますね。また、日本語はひらがな・漢字・カタカナなど、方言があっても表記は同じです。しかしインドの言語は、それぞれ異なる文字で表記します。文法や基本語彙は同じだそうですが、表記が異なるだけでも全く違う言語の印象を受けます。

【宗教】

人口の80%近くをヒンドゥー教が占めています。その他は、イスラム教、キリスト教、シーク教、仏教など。ヒンドゥー教では、牛は神聖な動物として崇拝されているため、牛肉を食べることが禁じられています。また、イスラム教では不浄であるという理由から、豚肉やアルコールを口にせず、食材はハラルフードという食材に限られるそう。こういった理由からインドでは、牛肉や豚肉をあまりみかけないようです。料理には鶏、羊、ヤギなど、牛や豚以外を使用します。

【国花】

インドの国花は「蓮」。インド亜大陸とその周辺を原産地にする多年生の水生植物で、色や質感の美しい花として有名。日本でも花だけでなく、先を見通す縁起がいいものとして、蓮の地下茎部分である「蓮根(レンコン)」も食用として食べられていますね。インドでは、古代から芸術と神話の中でユニークな位置を占める神聖な花として親しまれてきました。また、インドの文化や宗教において、蓮の花は富や知識を象徴するといわれているようです。

 

国が変われば文化も変わることを知る

グローバル化によって、様々な国を身近に感じることができるようになった今、各国の国民性を知り、理解を深めるのは非常に重要なことのひとつです。しかし、共通点ばかり探していても、なかなか相手を知ることはできないものです。違った点を知るからこそ、理解し合えるのではないでしょうか。ここでは、日本人とインド人の違いについてみていきましょう。


【時間にルーズなインド人 vs. 時間厳守の日本人】

インド人の時間に対する感覚は、日本人と正反対。彼らには「時間を守る」という感覚がないようで、時間は流れるもの、と思っているようです。待ち合わせをして時間通りに来るインド人はほとんどいないので、インド人と待ち合わせをした際は、最初からそのつもりでいましょう。また、インド人は自分に甘く他人に厳しいということはありません。たとえこちらが数時間遅刻をしてもノープロブレム。寛大な心で許してくれるそうです。時間を守る日本人と時間を守らないインド人、理解し合ってうまく付き合っていきたいものですね。

また、時間にルーズなのは待ち合わせだけではありません。配管工事や電気工事、インターネット業者などを自宅に呼んだとしても、いつ来るか知らされることはないので、待たなければなりません。もちろん、病院なども長い時間待たされることが当たり前なのだとか。

NOと言えず嘘をつくインド人 vs. 正直な日本人】

インド人の多くは「NO」ということを申し訳なく思うようで、その場しのぎで「YES」と言ってしまうこともしばしば。あくまでサービス精神のようですが、ビジネスシーンとなると大問題に。また「知らないと言ったら相手に申し訳ない」という気持ちから、嘘をつかれることがあります。よくあるのは、道を聞いた際に間違った道を教えられること。インドに旅行をして道を聞いたことがある人ならば、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。騙されたと思っても、インド人の親切心だということを理解して、腹を立てないことがインド人とうまく付き合っていくポイントなのではないでしょうか。

 

いかがでしたか。

語学が得意で、温厚で親切、そして人と人の距離が近いフレンドリーな一面を持つインド人。相手のことを理解して、良い付き合いができればいいですね。

次回はカレーだけじゃない!インドの名産品について深堀りしていきましょう!

 

Text by yumeka