リビングに一面広がる大きな窓には遠くまで広がる街並みが広がる。
地元を離れて友人達とは疎遠になり仕事を辞めて社会との繋がりは絶たれ、夫との関係も冷めきってしまった。
そんな私は、この誰もが羨む高層マンションからの景色を見ると、社会から取り残され宙に浮かんでゆく「孤独な籠」に入れられた感覚だった。
飛べない鳥の私。
か弱く脆い雛鳥の勇希。
籠の中でたった二人きりの時間がただただ永遠と流れる中で、私はこの先の何年かを想像し、誰かと繋がりを取り戻さないと自分が壊れてしまう恐怖を感じた。
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