カナダの作曲家クリス・ポール・ハーマンの最新アルバム『Works(2019-2023)』が12月6日にリリース決定。 バッハやシューマンなどのクラシック音楽の楽曲を大胆に再解釈した6つの作品を収録。聴き応え抜群のアルバムです。
Works(2019~2023)クリス・ポール・ハーマン
このアルバムは、カナダを代表する作曲家クリス・ポール・ハーマン氏が2019年から2023年にかけて手がけた6つの作品を収録。作品はハーマン氏が教鞭を執るカナダ・マギル大学シューリック音楽院で出会った友人や同僚のために作曲されたもので、録音はハーマン氏の同僚マーサ・デ・フランシスコ教授をはじめ、同大学の優れた技術スタッフや学生が参加して行われました。同音楽院の高い教育水準が、作品のクオリティの高さに繋がっていることが証明されたアルバムです。
ハーマン氏の作品は、クラシック音楽を現代的に再解釈した「ネオクラシシズム」が特徴。このアルバムでもクラシック音楽に新たな光を当てた作品群が展開されており、素材や楽器編成の対称性を意識した順序に作品が並んでいます。
- 1作目と6作目 (After Clementi, After Kuhlau)
バッハやクーラウのクラシックなソナチナをもとに、バイオリンとピアノ(または打楽器)用にアレンジした作品。原曲の形式を活かしつつ、現代的な響きが加わります。 - 2作目と5作目(After Schumann III, JSB KMHR)
旋律や和声を新しい視点で再構築し、シューマンのリートやバッハのコラールを題材にしたピアノのソロ作品。 - 3作目と4作目 (Suite for Solo Viola, Partita No. 2 for Solo Violin)
バッハの無伴奏組曲やパルティータをベースにしたソロ弦楽曲。元の旋律に大胆な変化を加え、リズムや構成が新たに作り直されています。
このアルバムはクラシック音楽の伝統を尊重しながら、現代的な感覚を加えたハーマン氏の革新的な試みを感じることができ、音楽の可能性を引き出した深い表現力が魅力です。さらに、小林聡羅氏(愛知県立芸術大学作曲科教授)主催コンサートに参加のピアニスト八坂公洋氏も、このアルバムの収録曲「JSB KMHR」を演奏し、聴きどころの一つとなっています。
クリス・ポール・ハーマン最新アルバム「Works(2019-2023)」はCD以外にも、SpotifyやApple Musicでの購入が可能です。
▼Apple Music
https://music.apple.com/ca/album/chris-paul-harman-works-2019-2023/1782267745
▼Bandcamp
https://redshiftmusicsociety.bandcamp.com/album/works-2019-2023
Chris Paul Harman(クリス・ポール・ハーマン) 幻想的なオーケストレーションと大胆な形式や、独創的なアプローチで知られ、カナダで最も高く評価されている作曲家。20代前半からトロント交響楽団など主要なオーケストラに楽曲を依頼され、作曲家としての地位を確立した。1990年にはカナダのCBCラジオ全国若手作曲家コンクールでグランプリを受賞し、以降も数々の国際的な賞に輝く。彼の作品は世界中の著名なアンサンブルやオーケストラで演奏され、現在はマギル大学で作曲科准教授を務めている。
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八坂公洋 佐世保市出身のピアニスト。長崎大学からカナダのマギル大学に編入し、橋本京子教授に師事。現代音楽を中心に幅広いレパートリーを持ち、数々の初演を行う。1stアルバム「和のかたち」はレコード芸術で準特選を受賞。国際的に活躍する若手現代音楽家として注目されている。 |