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ミレニアム開発目標MDGsの後続になるひとりひとりの協力が不可欠な持続可能な開発目標SDGsとは?

SDGsが策定される前、世界はミレニアム開発目標(Millennium Development Goals-MDGs)という以下の8つの目標に取り組んできました。

(1)極度の貧困と飢餓の撲滅
(2)普遍的初等教育の達成
(3)ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
(4)乳幼児死亡率の削減
(5)妊産婦の健康の改善
(6)HIV/エイズ、マラリア及びその他の疾病の蔓延防止
(7)環境の持続可能性の確保
(8)開発のためのグローバル・パートナーシップの推進

 

このMDGsは、かなりの成果を上げることに成功しました。

しかし一方で、5歳未満児や妊産婦の死亡率や女性の地位向上、二酸化炭素の排出量など改善はみられたものの目標には及ばなかったものもありました。これらMDGsで解決することができなかった問題や新たな環境問題、社会課題に対応するためにSDGsが誕生したわけです。

MDGsは国連や政府などの取組が主体だったのに対し、SDGsは国や自治体だけでなく民間企業やひとりひとりの役割が大きいといわれています。また、MDGsは主に発展途上国の課題解決を目標としていましたが、SDGsは先進国の課題も解決することを目標にしているのです。

私たちひとりひとりが取り組むことができる事とは何でしょうか。

 

今回は、SDGsとは何かなぜ取り組むのか浸透はしているのかについてご紹介します。

 

01SDGs(持続可能な開発目標)とは

持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals」の頭文字をとった「SDGs」は、20159月の国連サミットで採択された2030年までの国際目標です。

貧困や不平等、格差、気候変動による影響など、世界中の様々な問題を根本的に解決し、すべての人の幸せが存続され、より良い世界をつくるために設定されました。それでは「持続可能な開発」とはどのような意味なのでしょうか。

まず「持続可能」とは、将来の世代のために環境や資源が守られ、今の状況が維持できることをいいます。そして「開発」はすべての人が安心して自分の能力を発揮しながら暮らせることです。つまり、経済発展だけに取り組むのではなく『社会や環境などが抱える問題に取り組むことを目指す』ということです。

 

02SDGsに取り組む理由

SDGsの目標は、民間企業やNPOなどの団体、ひとりひとりの協力がないと達成できないものばかりです。

それではまず、企業がSDGsに取り組む理由とは何でしょうか。

特に民間企業は売上などに繋がらないことを実践するのは、なかなか難しいように思えます。しかし、SDGsに取り組むことにより企業は様々なメリットを得ることができるようになっているのです。

第一に挙げられるのは、企業イメージの向上です。Environment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の頭文字をとった「ESG投資」をご存じでしょうか。これは、売上や利益といった実績を重視した投資方法とは違い、環境や社会、企業統治といった観点を重視した投資方法の事を言います。金融業界は、企業に投資する際、ESGを反映するよう国連が提言しました。そのことから近年、このESG投資を重視した投資家が増えているそうです。

つまり、SDGsに取り組むことで、企業イメージが向上しESG投資が受けやすくなるということです。また、購買頻度の増加、採用活動の有利性も高めることができます。世界の課題を捉え、消費者のニーズの発掘や新しい事業の創出にも繋がるかもしれません。

 

次に、世界全体の社会課題に対する危機意識の高まりが挙げられます。これまで、地球温暖化や食糧不足解決の目標は国内外で定められてきました。しかし、毎年のように水害や温暖化の影響によって食物が育ちにくくなるといった問題が明確になってきています。

こういったことから、SDGsに取り組むことへの重要性が認識されるようになりました。

 

03SDGsの浸透

目標達成のために多くの人が取り組み、浸透していなければならないSDGs

はじめのころはほとんど浸透していないのが現状でした。理解しているのは女性よりも男性に多く、なかでも経営層や管理職についている方がほとんどだったそう。しかし、学校でSDGsを学ぶようになったことで急速に認知されるようになりました。

202112月に実施された第8SDGs認知度調査では、「SDGsという言葉を聞いたことがある」と答えた人が76.3%に達し過去最高を更新したということです。前回調査が45.6%だったことから、急速に浸透している言葉だということがわかります。男女別に比べると、男性78.6%、女性74.1%という結果に。年代別では、50代、60代が78.9%と最も高く、40代が77.8%、30代が72%、15歳~29歳が73.8%と、男女別、世代別それぞれで7割を超えました。

一方で、SDGsの内容については「少し知っている」が56.2%、「ほとんど知らない」が28.0%と、SDGsの言葉は知っていても内容の定着とまではいっていないようです。また、SDGsに関する取り組みについては「考えていない」が47.7%と大変残念な結果になりました。この結果を踏まえてどのようにすれば良いかを考えなくてはいけないようです。

SDGsや取り組む理由、SDGsの浸透についてご理解いただけたでしょうか。

次回は日本や海外における取り組みも併せてご紹介します。

より理解を深め、SDGs推進者となり未来を守る一員になりましょう。

 

 

Next:69日更新予定

次回は「SDGs知っておくべき5つのP。17の目標と169のターゲット」をお送りします。お楽しみに!