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【ビジネスパーソンのヘルスケア】vol.2 健康管理も仕事のうち! 食材で自らのパフォーマンスをコントロールするには?

健康資産はライフシフト時代に必要なスキル。ベーシックな健康だけでなく、仕事の効率を高めパフォーマンスを上げるためにも日々心がけていくべきものである。

症状ごとに取り入れやすいポイントをご紹介しよう。

前回▶【ビジネスパーソンのヘルスケア】vol.1 健康管理も仕事のうち!ベーシックな栄養知識はもはやスキルの一部。健康資産を意識する

忙しいビジネスパーソンこそランチの内容を考える

疲れた脳と身体をいったん休ませるのに最適なランチの時間。会社の周りで何となく済ませていないだろうか。午後のパフォーマンスに影響するランチは、今こそ食べ方が問われるべきである。

肉体的、精神的な疲れを癒すために効果的なのは豚肉や玄米、蕎麦に含まれるビタミンB1。エネルギーを作る際にサポートするビタミンだ。

さらに取り入れたいのが抗酸化作用をもつ食材。鶏ムネ肉やマグロ、カツオである。疲れた身体は活性酸素を生み出している状態。これを改善するために抗酸化作用をもつ食材で補おう。もし外食するなら蕎麦や海鮮丼、豚の生姜焼き。コンビニならサラダチキンや玄米おにぎりを。

付け加えると、基本は腹八分目。昔から言われている言葉だが実に的を射ている。

食べ過ぎて午後の仕事に集中できない、というのはスマートなビジネスパーソンには有り得ない。

ランチ後に眠くなってしまうのは、血液が胃に集中して消化を進めるため。胃にエネルギーを使う分、脳への配慮がおろそかになってしまうのだ。食べ出してから満腹を感じるのは30分程経ってからなので、食べるスピードが速い方は気を付けよう。

 

脳の働きをアップして仕事の質を上げる

仕事中にフル回転する器官、脳。昨今では脳科学が進歩しておりそれに関連した情報を得やすくなった。

クリエイティブな仕事を行うには午前中が良く、ぼんやりしている時間ほど脳は活性化しているといわれており、タイミングに合わせて業務をセレクトしている方もいらっしゃるのではないだろうか。

脳の働きに糖質の知識は必須。注目すべきは血糖値である。

疲れたから甘いものを食べてまた頑張ろう、というのはよく聞かれるかもしれないが脳にとっては望ましくない。それはなぜだろうか。

人は食べると血糖値が上がり、そして下がるのだがこのアップダウンがカギである。チョコレートや甘い缶コーヒーなど砂糖が入った食べ物は急激に血糖値を上昇させる。急激に上がった血糖値は同じように急激に下がる。急に上がった際に身体が過剰反応し、慌てて下げようとするためだ。

この急激に変化する状態が脳を疲れさせ集中力を削いでしまう。それを避けるためにはゆるやかに血糖値を上げること。糖質が多いものは急激に上げやすいので避けよう。例えば、白米よりも胚芽米や玄米。甘い菓子パンよりも野菜や卵が入ったサンドイッチ。ペペロンチーノよりもカルボナーラやペスカトーレなど。

他の具材が含まれている方が血糖値はゆるやかになりやすい。脂肪が含まれる食材も血糖値をゆるやかにしてくれるので適度な摂取を推奨する。

できるだけいろんな食材をバランスよく、というのは脳の働きにも役立てることができるのである。

 

空腹の時間を必ずつくる

胃腸の健康と脳の働きは相関している。ストレスを感じるとお腹が痛くなるなど、脳が司る自律神経の働きが腸に刺激を与える。

せっかく望ましい食べ方をしても胃腸の消化吸収能力が落ちてしまっていれば十分に発揮することができない。また、胃腸がフル活動していると脳の働きが鈍るのは既に述べたとおりである。

食べることは大事だが、同じくらい食べないことも大事だ。

常に何かを口にしていると休む間もなく消化を続けることになる。本格的なファスティングは専門家の下で行うべきだが、簡易的なものなら可能である。

まず、空腹を感じてから食事をとること。目安としては食事と食事の間を4時間ほど空けると空腹を感じやすい。間食をしがちな方には効果的である。間食はお菓子だけでなく、清涼飲料水やラテなどの飲みものも含まれるので、その間はブラックコーヒーやお茶など砂糖の含まれないものを摂取しよう。

次に胃腸に負担のかかる食材を避け、粥など水分に近いものを摂取することである。

これは連休や週末など休みがしっかりとれる時に取り組みやすいだろう。

具沢山スープやポタージュ、スムージーで複数の食材を取り、脂肪分の多い肉や脂がのった魚は控える。ラーメンや餃子など胃に負担がかかりやすいものも避けるようにしよう。間食はヨーグルトやフルーツが望ましい。

一日3食ともこのような食事をし、胃腸をしっかり休ませると消化能力を維持でき、便通が良くなる効果がある。空腹を感じて食べるという本来のペースを取り戻して身体全体を一度リセットしてはいかがだろうか。

 

プレゼン資料作りに青魚?脳を活性化させるには

頭の中のイメージを形にしていくクリエイティブな仕事。そのためには集中力や思考力が必須である。企画職の方だけでなくプレゼン資料を作る際にも参考になるので是非取り入れていこう。

脳を活性化させるために効果的なのが青魚。青魚の脂質に含まれるDHAEPAはその働きをアップさせる役割を持つ。青魚は缶詰でも販売されているので取り入れやすいのではないだろうか。

青魚だけでなくエゴマ油やシソ油、アマニ油にも含まれている。これらの油はそのまま摂取することがおすすめ。加熱すると酸化されやすく効果が感じられない。ドレッシングの代わりにサラダにかけたり、冷奴に醤油と一緒にかけて食べたり生食で摂取するようにしよう。

ひとつ避けていただきたいものがある。それはトランス脂肪酸だ。

日本ではまだあまり意識されていないが、アメリカでは食品表示が義務付けられているほどのもの。心臓病のリスクが高まる、動脈硬化につながるなどの影響があるためだ。

それ以外にも脳に必要な酸素の量が十分でなくなり集中力や思考力の持続に良いとはいえない。

トランス脂肪酸が含まれるのは菓子パンに使われるショートニングやマーガリンなど意外と身近な食材に多い。バターに比べ安価な脂肪として生産されやすいためである。コンビニで菓子パンを購入する際には、食品表示を見てショートニングが含まれていないか確認しよう。

 

ストレスを軽減するためにはこれを選ぶ

ストレスを完全に取り除くことは難しいかもしれないが、食べ物で軽減することができる。

キーワードはビタミンCとトリプトファン。

お馴染みの栄養素ビタミンCはキウイやオレンジなどの柑橘類、イチゴ、ゴーヤ、ブロッコリーに多く含まれている。コンビニでカットフルーツを販売していることも多いのでランチにプラスするのも良い。

ビタミンCはレモンに含まれている印象が強いかもしれないが、他のフルーツに比べてなかなか摂取しにくい。丸ごと食べるには酸味があるので、食べる直前のマリネに絞ったり、炭酸水に果汁を入れるなどフレッシュさを活かしてほしい。

加えて、ビタミンCはじゃがいもからも摂取できる。カレーや肉じゃがは他の野菜とタンパク質源の肉も取りやすいのでおすすめだ。

そしてトリプトファン。これはアミノ酸の一種であり、精神を安定させる作用をもつ。

卵、大豆製品、乳製品に含まれているため日常的に摂取される方も多いだろう。予めストレスを感じそうな日の朝食に取り入れるなど意識的に活用をすることが可能である。

 

 

2回にわたり、健康資産を積み上げていき日々のパフォーマンスを上げる食べ方を紹介してきた。是非今日から取り入れていただき、キャリアの一助となれば幸いである。

 

前回▶【ビジネスパーソンのヘルスケア】vol.1 健康管理も仕事のうち!ベーシックな栄養知識はもはやスキルの一部。健康資産を意識する