パソコンやスマートフォンの普及が拡大したことによって、手書きをする機会がめっきりと減ってきています。
しかし、そんな時代になっているからこそ、こだわりの万年筆を使って手書きをするという行為が注目されるようになり、高く評価されてきています。
『ホテルのチェックインの際にスーツの胸ポケットから万年筆を取り出してサインする』
そんなスマートな行動は、あなたを成熟した大人の男性に見せてくれるのです。
一生ものの万年筆は自分自身のステイタスにつながり、その美しいフォルムは見るたびに心を潤してくれるのです。
目次
持ち主の個性が文字に色濃く現れる筆記具 万年筆の魅力
ペーパーレス化が進むにつれて、筆記具の需要はますます減ってきていますが、ビジネスエリートたちの万年筆愛は止まりません。
彼らが万年筆に夢中になるのは、一言では語りつくせない、たくさんの魅力があるからなのです。
字が上手く見える喜び
インクの濃淡や筆圧の加減によってハライやハネの表現ができるので、ひとつの字でも各部分に変化がうまれ、自然と字がうまく見えます。
字が上手でなくても万年筆を使うことで字の見映えが良くなりますし、上手な方ならその綺麗さが更に際立ちます。
これが『万年筆マジック』なのです。
自分好みに育てて行く楽しみ
万年筆は使えば使うほどに、書く人の癖にあわせてペン先が少しずつ摩耗していき、使う人に合うように育っていきます。
自分好みの書き味に育っていき、それが万年筆を使う人にとっては楽しみにもなります。
使えば使うほどに自分自身に馴染んでいき、書くことが楽しみになり、さらに使うことでどんどん自分好みの使い心地に育っていく。
何かを育てる喜びには達成感があり、こんな喜びを知っているからこそ、ビジネスエリートは万年筆を使い続けるのです。
古く…なんて言葉では語れない 万年筆の長すぎる歴史
万年筆の歴史は古く…などと、簡単に説明できない程、万年筆の歴史は非常に古いのです。
万年筆の起源は、遡ること1000年以上前のエジプトだといわれています。
西暦953年、衣服と手を汚さないペンを欲しがった、エジプトのファーティマ朝カリフ(指導者)であるムイッズのために発明されたことが起源になっています。
その後19世紀以降から、万年筆は劇的な進化を遂げて、現在の形に変わっていきました。
1884年には、アメリカでルイス・エドソン・ウォーターマンが現在の形の万年筆を開発し、1905年には、筆記用具愛好家で知らない人はいないほど有名な万年筆メーカー「モンブラン」が誕生しました。
世界中のビジネスエリートを魅惑する 高級ブランド万年筆の世界
高級品の世界においては、品質と価格は比例していることが多いものです。
この万年筆なら一生物として持っていられると心から思える万年筆を手に入れるために、世界を代表する高級万年筆ブランドとその人気シリーズについて学習していきましょう。
モンブラン(MONT BLANC) 価格帯:約5万円~
1906年にドイツで創業したモンブランは世界を代表する高級筆記具ブランドであり、「高級万年筆の代名詞」とも言われています。
▼MONT BLANC
https://www.montblanc.com/ja-jp/
・montblanc-MEISTERSTUCKシリーズ 価格帯:約10万円~
モンブランに数ある高級万年筆シリーズの中でも、世界最高峰と称されるのが「マイスターシュテュック」シリーズです。
ブラック×ゴールド、ブラック×プラチナを使用した重厚感のある風格は、「いつかはこれを持ちたい」というステイタスシンボルともなっている代表的モデルです。
・montblanc- StarWalker 価格帯:約6万円~
「スターウォーカー」は、クラフツマンシップを駆使した極上のパフォーマンスとモダンなデザインが特徴です。
宇宙・近未来を感じさせるデザインが特徴で一見奇抜そうに見えますが、人間工学に基づき緻密に設計されていて使い心地も最高です。
パーカー(Parker) 価格帯:約1万5千円~
パーカーは創業から120年以上の、歴史あるイギリスの筆記具ブランドです。
万年筆最大の欠点である「インク漏れ」を解決するなど革新的技術の開発でも知られ、低価格から高価格までの展開により、初心者から愛好家まで幅広い方々に愛用されています。
▼Parker
https://www.parker-japan.jp/
・PARKER-DUOFOLD 価格帯:約10万円~
「デュオフォールド」は1921年から存在するモデルで、長い歴史を持つパーカーの中で最高ラインのシリーズになります。
ダグラス・マッカーサー等多くの著名人も使用していて、太平洋戦争における降伏文書での署名に使用されたことでも有名です。
・PARKER-SONNET 価格帯:約1万5千円~
「ソネット」は万年筆ファンであれば誰もが知る定番モデルであり、優雅でバランスのとれたボディと最高の書き味を誇ります。
優美なデザインが持ち味でもあり、女性の方からも人気の高いパーカーのベストセラー商品です。
ペリカン(Pelikan) 価格帯:1万円~
ぺリカンは「バランスの取れた万年筆」で世界に数多くのファンを持つドイツの高級筆記具ブランドです。
サイズ、書き味、太さ、重心が精密に設計されていて、そのバランスの良さが魅力であり、普段使いの万年筆として人気が高いです。
▼Pelikan
https://www.pelikan.com/int
・Pelikan-トラディショナル 価格帯:約1万5千円~
「トラディショナル」は、コストを抑えたカジュアルラインで、ペリカンならではの書き味と気軽に使える実用性を兼ね備えた一本です。
定評のあるバランスの良さがありながら1万円台という安価が魅力で、初心者や初めての方向けの万年筆として人気が高いです。
・Pelikan-トレド 価格帯:約17万円~
「トレド」には頑なまでに伝統的手法が用いられ、百を超える工程と一ヶ月以上の日数が費やされています。
熟練した職人がデザイン画を手彫りしていて、その一本一本には、磨き抜かれた技による芸術性の高い装飾彫金と24Kゴールドの上張りがほどこされています。
贅沢の限りを尽くしたモンブランの「アルティザン コレクション」
高級万年筆の代名詞ともいえる「モンブラン」ですが、なかでも、「アルティザン コレクション」は職人の
高い技術による贅沢な仕様で、そのコレクションは発売のたびに多くの人々の注目を集めます。
その話題の的はコラボの話題性と贅沢な仕様によるものですが、高級万年筆のカテゴリーでも珍しい、その価格にも大きな要因があります。
1本300万円超え! 贅沢な万年筆が京友禅のコラボで誕生
「マイスターシュテュック蒔絵カリグラフィーTribute to Kyoto Fine Craftsmanshipリミテッドエディション88」
2017年に発表された「アルティザン コレクション」のテーマは、「京芸術」であり、約470年の歴史を誇る京友禅の一流老舗「千總」とのコラボで生まれました。
ため息が出るばかりのそのデザインはまさに豪華絢爛であり、外装からペン先に至るまで、両社のものづくりの精神と技術がぎっしりと詰め込まれています。
ボディとキャップには源氏物語の世界観が手作業によりみごとに描かれ、ペン先には千總の着物が緻密に彫刻されています。
さらに、キャップトップにあるモンブランのシンボルマークは、マザー・オブ・パール(真珠母貝)製です。
透明感があり光によって様々な色に見える素材は、この芸術作品が持つ神秘性を増大させます。
消費税込で3,456,000円という値段だったにも関わらず、全世界限定55本というプレミアな商品ということもあり、完売してしまっています。
さらに高額! 偉大な芸術家ピカソの人生と美を封じ込めた万年筆
2012年には、不朽の名作を数多く残したパブロ・ピカソの91年の生涯にちなみ世界で91本のみ製作されるという、プレミア感の非常に強い特別な万年筆「パブロ・ピカソ リミテッド エディション91」が誕生しました。
キャップはピカソの代表作「若い娘の肖像」がテーマとなり、この横顔がそのままクリップとなっていて、ピカソ本人が「若い娘の肖像」について独特の筆跡で書き記したコメントも刻印されています。
深みのあるブラックラッカー仕上げのボディですが、尻軸にはピカソの愛した故郷“スペイン”のナショナルカラーである赤のストライプがあしらわれ、芸術性を高めてくれています。
斬新かつ独特のデザインでありながら、職人技が光るディティールは、まさに“芸術品”といえる希少な存在であり、325万5000円という価格も納得の品となっています。
万年筆の魅力と高級万年筆の世界
今回は、ビジネスエリートが魅惑される万年筆の魅力についてと、高級万年筆の世界について説明させていただきました。
時代の変化にも負けず、より一層存在感を増し続ける万年筆には、何物にも代えがたい魅力があるのです。
次回は、ビジネスシーンで話題になること間違いなしの万年筆に関する豆知識などについて、お話していきたいと思います。お楽しみに!