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人生で一度は参加したい!世界三大カーニバルVOL.2 魅力編

前回はブラジルの「リオのカーニバル」、イタリアの「ヴェネチアカーニバル」、スイスの「バーゼルカーニバル」の歴史に迫りました。圧倒的エンターテイメントで楽しませてくれる3つのカーニバルは、どれも歴史深く、国民に愛されているお祭りだということが分かりました。

そして今回は、3つのカーニバルの様子参加する際の心構えや必需品についてご紹介します。毎年何万人もの参加者で賑わうカーニバル。開催中、人々はどのような楽しみ方をするのでしょうか。

 

前回:人生で一度は参加したい!世界三大カーニバルの歴史VOL.1

01/ブラジル「リオのカーニバル」

リオのカーニバルのメインイベントは4日間にわたって開かれるパレード。パレードといってもただ行進するわけではありません。

サンボードロモというパレード専用の会場が用意され、衣装、踊り、テーマ性や曲などの10項目を採点し、優勝を決める実力派サンバグループによるコンテストなのです。優勝者には賞金が用意されているため真剣勝負です。

1日目にAグループ、2日目6チーム・3日目6チームの優勝候補のスペシャルグループ、4日目にBグループが出場します。カーニバルコンテストの後のチャンピオンパレードでは上位に入賞した6チームが登場するそう。1チームだけでも2,000人~4,000人の規模で、1チームあたり1時間~1時間半近く激しくパレードを競い合います。

 

また、パレードは夜9時頃から、翌朝4時まで続くと言われていますが、たいてい夜が明ける7時頃までは続くようです。見どころは、国内トップクラスのサンバ・スクールによるパレード。デザインから建設まで約一年かけて準備するという豪華な山車を中心に、ダンサーやミュージシャンによる華麗なパフォーマンスが繰り広げられます。

一度行ったら忘れられないと言われるほど、華麗で煌びやかなカーニバルですが、残念ながらカーニバルが開催される都市は、世界で最も治安の悪い都市と言われています。

ファベーラというスラム街が点在し、観光地を歩いているだけでも強盗被害にあう人が後を絶ちません。レンタカーを借りる人は、ナビの案内に従うと、うっかりファベーラに入り込んでしまう可能性もあるため注意が必要です。

時計やアクセサリーなど、現金以外の貴重品は持ち歩かないようにしましょう。近年では犯罪もデジタル化し、カードのスキミングも多発しています。カードの暗証番号を打ち込む際には、しっかりと手で隠すのはもちろん、相手の動きにも注意を払うようにしましょう。

 

念のため帰国後は、クレジットカードの明細チェックも忘れずに。

▼ブラジル政府観光局オフィシャルサイト(英語)
https://www.visitbrasil.com/en/

 

02/イタリア「ヴェネチアカーニバル」

ヴェネチアカーニバルのみどころは、マスケラと呼ばれる仮面で顔を隠した舞踏会参加者たち。このマスケラは、地元の人、イタリア各地方から訪れる人、国外から参加する人、旅行者なども多く、誰でも仮装して参加することができるようです。

ヴェネチアカーニバルは、プレカーニバルと本カーニバルのふたつの期間に分かれて開催されます。カーニバル期間が2週間と長く、それぞれに見どころがあるようです。

 

着飾ったマスケラたちが増えるのは、週末や開催期間の終盤。プレカーニバル中は、グランド・オープニングや盛り上がるイベントが開催される日もありますが、基本的にイベントが少ない期間で、マスケラや観光客が少なく、快適に歩きながら他のマスケラたちと交流が図れるようです。

とはいえ、オープニングセレモニーは運河の上で行われ、数百年の歴史を誇る建物がプロジェクションマッピングに照らされ、幻想的かつ素晴らしいパフォーマンスを見ることができるのでおすすめです。

また、オープニングセレモニー翌日に行われる水上パレードも見どころ。14世紀から17世紀までに20回以上ヴェネチアを襲ったペストを表しているのか、ネズミの扮装をした人が目立つようです。

 

他にも、天使の飛翔といい、ヴェネチア在住の若い女性の中から選ばれた12人がヴェネチアの町をパレードする「マリアたちの行進」があります。その中から選ばれた一人は、高さ98.6mもある鐘楼から、天使のコスプレをしてサンマルコ広場に舞い降ります。なんとも恐ろしい体験に思えますが、ヴェネチアの女性にとって、この1名に選ばれ宙を舞うことは大変名誉なことなのだとか。

仮面コンテストやフェイスペインティングなど、最後の最後までイベントは開かれていますが、ラストを飾るのは花火。ヴェネチアが最高潮に達するこのカーニバルの2週間が過ぎ去るのを惜しみ、たくさんの花火が打ち上げられるようです。

しかし、カーニバルは想像以上に人ゴミの中行われます。お子様連れの方は、迷子に気を付けるようにしましょう。場所によっては混雑時に一方通行になる場所もあるので注意が必要です。

また、ヴェネチアカーニバルは寒い時期の開催になるので、防寒アイテムをも忘れずに。

 

▼イタリア政府観光局(ENIT)公式サイト(日本語)
https://visitaly.jp/

 

03/スイス「バーゼルカーニバル (ファスナハト)

「モルゲンシュトライヒ」と言われる、あたりが暗い早朝4時に開催されるパレードからスタートするファスナハト。朝4時を告げる鐘の音と同時に、街灯も懐中電灯も一斉に消え、大小さまざまなランタンが世闇に浮かび上がる景色は、なんとも不気味で幻想的。そこにピッコロの音色と太鼓リズムが合わさり、パレードの行進を後押しするのです。

その後、メインのパレードがスタートします。ファスナハトではグループごとに統一されたメイクやかぶりものの仮装をして、バンド演奏をしながら街中を歩きます。また、仏語で時事問題などのテーマを決め、そのテーマにあわせたランタンや衣装を選ぶのも特徴のひとつのようです。

仮装した人たちは、お菓子や野菜、果物、花など様々なプレゼントを配っています。そのため、パレード参加の際はあらかじめプレゼントを入れる袋を用意しておくことをおすすめします。

そのプレゼントの渡し方も様々で、直接手渡してくれることもあれば、投げつけてくることも。

また、パレードでは「Basler Mehlsuppe」と言われる小麦粉のスープ、チーズやオニオンをピザのような薄い生地にのせたパイ「Zwiebelwähe」など美味しい料理も登場するようです。

そんなファスナハト、実は「ブラゲッテ」と呼ばれる実行委員会が販売するバッジに秘密が隠されているとか。そのバッジには、ビジュと呼ばれる宝石、金、銀、銅の4種類があります。

金額の高いバッジをつけている人ほどファスナハトに資金協力をしたと見なされ、良い待遇を受けられそうです。しかし、何も買っていない人は紙ふぶきを浴びせられるだけとか。せっかくのパレードを楽しむために、バッジを購入し目立つ位置につけておくことをおすすめします。

 

▼スイス政府観光局HP(日本語)
https://www.myswitzerland.com/ja/

 

 

◆◆この日のためにエネルギーをためている!?

いかがでしょうか。

地元の人は、この日のためにエネルギーを溜めていたのではないか、と思うほど盛り上がります。彩り豊かな世界のユーモアあふれるカーニバルは多くの人を笑顔にします。悩み事もちっぽけに感じるかもしれません。

 

これであなたも「世界三大カーニバル」に行ってみたくなったのではないでしょうか?一生忘れることのできない楽しい思い出を作りに、国外へ出かけてみてはいかがですか。

 

前回:人生で一度は参加したい!世界三大カーニバルの歴史VOL.1