尾張徳川の名残を残す町、東区徳川町。
豊かな自然と美しい大池・龍仙湖を有する徳川園は、都心の中心で今日も街ゆく人々の心を癒す。
しっとりと匂い立つ緑の歩道を抜け、「ガーデンレストラン徳川園」へと足を運ぶ。
趣のある門をくぐり、ほのかに水を湛えたアプローチをゆけば、静謐な時間が幕を開ける。
地元素材を使用した、和と洋のイノベーションフュージョン料理
地元素材を使用した、和と洋のイノベーションフュージョン料理
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池を望む席へと腰を据える。
今日はどんな一皿との出会いがあるだろうか。そんなことを思いながら、ふっと息をつく。
木や水のエネルギーを感じながらくつろげる空間は、
仕事や人とのしがらみで疲れた心を解きほぐしてくれるから好きだ。
同店では、正統派のフレンチ技法をベースにしながらもどこか現代的で、
かつ和のエッセンスを取り入れた料理の数々がいただける。
そしてそこに息づく料理人の技術と矜恃は、皿の上だけにとどまらない。
うまく表現できないが、席に通された時から料理に向き合うための“流れ”が用意されているのだ。
そういう店は、名古屋広しといえどもそうそうない。
本日、腕を奮ってくださるうちの2人をご紹介したい。
総料理長を務める山田晃嗣氏と、シェフの小栁優好氏だ。
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山田氏は2004年、「グランコート名古屋」での勤務を経て「ガーデンレストラン徳川園」へ。
2016年に副料理長となったが、
その翌年にはパリのミシュラン2つ星「Passage53」「Devide Toutain」にて意欲的に研鑽を積み、
さらに腕に磨きをかけた努力の人。
帰国後2020年7月には再度「ガーデンレストラン徳川園」に復帰。
現在は総料理長として多くのシェフをまとめ上げている。
「フレンチは、素材を調理して一つの皿の上にまた完結させる、というスタイルです。
肉も骨も、素材の全てを無駄にしないその考えが、とても好きです」と控えめに話す。
本日の一皿にも、自然と期待が高まるというものだ。
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小栁氏は、名古屋マリオットアソシアやミクニナゴヤなどの有名店にて勤務後、
2006年には神戸北野の「グランメゾン グラシアニ」で副料理長として活躍。
2012年に渡仏したあとは「Saturne」「Abri」「Bigarrade」でさらに視野を広げた。
帰国後は池下の「カルチェラタン」の料理長を経て、2020年6月から現職に就いている。
彼は客と積極的にコミュニケーションをとるシェフだ。
そこから客の好みを把握し、次回の来店に生かすことに長けている。
「また来たい、と思っていただけることがなによりの喜びです」と微笑む表情は、料理人という仕事に対する誇りを感じさせた。
ここまでの境遇は異なれど、入社1ヶ月違いで同じキッチンに立ち、腕を振るうことになった二人。
シェフの経歴やこれまで過ごしてきた環境を知ることは、料理に対する深みを持つことができる気がする。
それぞれの経歴と思いを込めた一皿と、いよいよご対面の時が来た。
ガーデンレストラン徳川園
愛知県名古屋市東区徳川町1001
052-932-7887
11:00 - 15:00(L.O.14:00)、17:00 - 22:00(L.O.20:00)
不定休