鉄板焼きの魅力とはなんだろうか、とふと考える。
目の前で豪快に焼き上げるスタイルや、できたてをその場でいただける贅沢さ、などが思い浮かぶ。
ではそこに、ほんの少しの遊び心と斬新さがあったら?
そんな店があるならば、そこはきっと“フツウ”に飽きてしまった名古屋の食通が集う、大人の隠れ家に違いない。
2人のシェフが織りなす職人技を目の前で
名古屋市中区のオフィス街に、街並みに馴染むようにひっそりとたたずむ店『団居』がある。
さながら秘密基地を見つけた少年のように、とっておきの隠れ家を見つけたような気分で店に入る。
御影石の重厚な質感が、シックな店内を一層引き立たせている店内。
カウンターが9席、奥には個室も備え、さらに相席なしの完全予約制という、品格漂う鉄板焼き店だ。
この店を選ぶのは大抵、ちょっとした“驚き”が欲しい大人に違いない。
というのも、一度この店を訪れたら最後、2人のシェフがつくるエポックメイキングな料理に魅せられてしまうからだ。
一人は、腰高一幸シェフ。もとはフレンチ出身だが、名古屋の名店「エノテーカ・ピンキオーリ」のオープンに携わり、イタリアンにも精通するように。
同店での料理長を経た後東京でも研鑽を積み、現在はこの店で腕を振るう。
イタリアンと鉄板焼きという新たなジャンルに日々挑み続けており、その美しい料理の数々は多くの人を魅了する。
もう一人は小菅国博シェフ。
名古屋のホテルレストランでフレンチシェフとして腕を磨き、その後に勤務した料亭で鉄板焼きの魅力を知る。
家畜商の資格も有しているため、肉には特に詳しい。
そんな頼もしい彼にかかれば、普通ではめったにお目にかかれないような極上の肉をいただくことができるだろう。
同店において特筆すべきは、世界一と表される松阪牛と神戸ビーフの食べ比べができるコースが用意されている点。
A5ランクの雌の処女牛のみを使用しているだけでなく、
毎年11月には松阪市で行われる「松阪牛共進会」で上位の牛を競り落とすというこだわりようだ。
それをいただける貴重な機会を逃すまいと、年明けごろは食通たちの予約ですぐに埋まってしまうのだ。
オーパスワンをはじめとした世界の有名な銘柄のワインが、ウォークインセラーに常時100種類ほども保管されている。
ワイン好きを連れてきても、肉好きを連れてきても、鉄板焼き好きを連れてきても、
とにかく“フツウ”に飽きてしまった大人ならば誰もが満足することだろう。
本日のスペシャリテには、どのような発見があるのだろうか。
プレゼントを待つ子どものような心持ちで、彼らの珠玉の一皿を待とう。
<店舗情報>
鉄板焼き 団居
名古屋市中区丸の内3-10-8 LIBERTA CARINO 1F
052-684-5829
17:00〜24:00
日・祝休
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
<後編へ続く>鉄板焼きで魅せるサティスファクション。「鉄板焼き 団居」<後編>