TRAVEL

【世界遺産ゼロ!?】台湾の魅力を徹底解説!日本との意外な共通点も!

前回のマレーシアはいかがでしたか? 多様な文化が織りなす活気に満ちた街並み、美しいビーチなど、様々な魅力を満喫できたかと思います。さて今回は、台湾へご案内します。親日家が多いことでも知られる台湾は、美味しいグルメや歴史ある寺院、美しい自然など、心がくすぐられる魅力満載です。



麗しき国・台湾

台湾は国土面積が九州とほぼ同じであり、人口は約2300万人。四季は存在しますが4月から暑さを感じ始める温暖な気候で、人気の観光地として知られています。今回は、日本との共通点も多く「驚くほどの景観が広がる麗しき台湾」について深掘りしていきたいと思います。

1895年、日清戦争がきっかけで日本と台湾は深くかかわることになりました。この日清戦争で清国に勝利した日本は、下関条約の締結により台湾を譲渡され統治することになりますが、その後50年続いた日本統治時代も第二次世界大戦での敗戦により終わりを迎えます。とはいえ、断交後も日本と台湾は積極的な交流を継続し友好的な関係を築き、現在に至っています。

台湾の基本情報

まずは、「台湾」の基本情報について。

【台湾の成り立ち】

台湾島は中国南東部の海岸からおよそ160キロ離れた場所に位置します。そんな台湾が歴史上に存在をうかがわせたのは『三国志』や『隋書』などの中国の書物。しかし中国は、台湾はもともと中国の一部だった歴史がある、という一方で、台湾は辛亥革命後に初めて建国された近代中国であると主張しています。加えて、毛沢東政権下で建国された中華人民共和国の一部だったことは一度もない、とも主張しており中国と台湾はあいまいな関係が続いています。 

【民族】

単一民族である日本とは異なって、台湾は多民族国家です。漢民族が9割以上を占めており、他に原住民(16民族)や国際結婚等のために台湾籍をとった新住民がいます。

【言語】

台湾で国語と呼ばれる標準語は中国語。日常では台湾語や客家語など、住民の各言語も使われます。

【宗教】

台湾は、中華民国憲法により宗教の自由が認められています。このことから、さまざまな宗教信仰を有する台湾は、伝統的宗教である仏教・道教の他に、キリスト教、ユダヤ教・ヒンズー教などがあるといわれ、伝統信仰を崇拝するだけではなく、外来の宗教思想も幅広く受け入れられているようです。






台湾には〇〇〇〇がない⁉

ヨーロッパ人として初めて上陸したポルトガル人は、台湾に感嘆し「イラ フォルモーサ!(麗しの島よ)」と叫んだといいます。時を経た今も、近代化された街並みと、アジアらしい趣ある街並みとの両方を味わうことができる国として、訪れる人を魅了します。そんな台湾の世界遺産は…なんと、ゼロ。実は、麗しの島と呼ばれるほどの景勝地や文化遺産に溢れた台湾には世界遺産がないのです。これは、台湾が国家として認められていないという政治的理由が足かせになっているようです。ちなみに、ユネスコの日本語での正式名称は「国際連合教育科学文化機関」といいます。国連の下部組織という位置付けのため、台湾の遺産をユネスコが認めることは、今後も難しいかもしれません。

しかしそんな台湾にも、文化部文化資産局を中心に選定している世界遺産候補地が18箇所も存在するのです。

今回は18の候補地の中から、3つの場所を紹介します。台湾には、想像を超える神秘な世界が広がっているようですよ。

【太魯閣(タロコ)国家公園】

台湾原住民族である太魯閣族の言葉で「連なる山の峰」という意味から名前がついている、総面積92000ヘクタールほどの広大な自然が広がる台湾の国立公園。花蓮県、台中市、南投県にまたがる台湾を代表する絶景スポットです。この公園内には、岩壁の小さな穴に無数のツバメが巣を作っていることから「燕子口」と名付けられた場所や、赤く総大理石造りの橋である「慈母橋」、標高480メートルに位置する「天祥」、大理石の1枚岩がそそり立っている「錐麓大断崖」などさまざまな名所があります。また、「タロコ渓谷」は「立霧渓」といって、河が大理石の岩盤を侵食して形成された大渓谷です。美しいブルーの水と大理石の岩盤とのコントラスト、自然の雄大さと美しさを実感することができるでしょう。

 

【阿里山森林鉄路(ありさんしんりんてつろ)】

線路の高低差は、海抜30mの嘉義市から海抜2216mの阿里山までと、既に世界遺産として登録されているオーストリアにある「ゼメリング鉄道」や、スイスにある「レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線」などを上回る高低差を誇ります。また、ここを走る電車のデザインもレトロでかわいいと注目されているようです。平地から海抜800mの場所一帯は熱帯林となっており、ガジュマル、リュウガン、アカシア、などの植物を見ることができます。また、海抜1,800mの場所になると暖帯林となり、クスノキ、シリブカガシ、ナンタブ、コウヨウザンが主に見られるようです。海抜3000mの場所は温帯に変わり、タイワンベニヒノキ、ヒノキ、タイワンスギを眺めることができるそう。

 

【金門戦地文化】

地方の文化や歴史が色濃く残る場所というのは、世界中どこにでもありますよね。日本にも山口県下関市にある「火の山公園」に砲台や倉庫からなる「堡塁跡」があり、現在も当時の姿を保っています。台湾にも同じように戦争遺跡といわれ、完全な形で保存されているものがあり、それが第一次、第二次世界大戦から現在に至るまでに残された遺跡・「金門戦地文化」です。また、金門は台湾の島であるものの、最も中国に近い島であるため中国文化も加わっているとか。時代の移り変わりを感じることができる神秘的な場所なのです。



 

いかがでしたでしょうか。

今回は、台湾の基本情報や麗しき島であるのにもかかわらず世界遺産がないという衝撃的事実についてお伝えしました。

次回は、台湾人の国民性や文化について紹介していきたいと思います。台湾は〇〇〇〇〇先進!? プラスチック資源循環促進法が施行された日本は、参考にするべきかもしれません。お楽しみに。

 

Text by yumeka