NOVEL

選ばれない女 vol.1~婚活パーティー~

プロフィールを書き終わり、辺りを見渡す。

男女合わせてざっと20名ほどだろうか。

大方の人はプロフィールを書いていたが、携帯を触っている人もいるし、中には文庫本を読んでいる人もいる。

開始までの時間を、それぞれ思い思いに過ごしていた。

 

愛沙はその間、参加者の中に目ぼしい男性がいないか観察していた。

 

そして、ある一人の男性に目を付けた。

―ま、わたしなら落とせるわ。

余裕の笑みをたたえながら、彼女はこの初戦に挑んだ。

 

静かな店内に、マイクを通して女性の声が響く。

「皆様、この度はお集まりくださりありがとうございます」

 

簡単な挨拶の後に、今回のパーティーの説明がされる。

このパーティーでは、115分間おしゃべりをしていくらしい。

着席しながら参加者全員と会話ができるようで、連絡先は自由に交換OK

カップリングはしない。

「ドリンクはアルコールも含めて飲み放題ですので、ご自由にお申し付けください」

 

一通りの説明が終わり、男性達がそれぞれ女性の前の席に座る。

 

開始の合図がされた。

 

会場が話し声で騒がしくなる。

「は、初めまして」

目の前の男性は、寂しくなった頭髪を光らせながら上目遣いでこちらを見ていた。

 

一目見てこの人は違う、と思った。

 

相手から渡されたプロフィールも一応見るふりをした。

「な、中込さんはこういう場所、よく来られるんですか?」

蚊の鳴くような声で問われる。

「いえ、初めてです」

「わあああ、そうなんですね。こんなお綺麗な方、初めて見たので…」

「ありがとうございます」

愛沙は当然でしょ、と心の中でふんぞり返った。

その後は趣味や仕事の話を当たり障りなくする。

 

ビー

 

笛の音が鳴った。

どうやら席を交替する時間のようだ。