NOVEL

年収一億超えの妻たち vol.10 最終回~疑念の後…~

「あの…実は相談したいことがありまして…」

「どんなことかしら?」

 

そして勇気を振り絞り、自らの悩みを打ち明けた。

 

その後、私から夫の不倫疑惑の話を聞いた安奈さんは暫く黙り込む。

それから一分程が経過しただろうか?

 

安奈さんが言葉を選ぶように、ゆっくりと話し出す。

「要するに、身辺調査をしたらいいか悪いかを迷っているのね?」

「その通りです。ただ身辺調査するという事は、夫の愛情を疑う事になりますし…」

「だからといって、このままだと不安が増すだけで何も解決しないわよね?」

「はい…だから悩んでいるんです。どうするべきかを…」

「うん、その気持ちは分からなくもないわ。私もそんな不安を抱いた事があったから」

 

彼女は憂鬱げに微笑む。

 

きっと、安奈さんもその時は、かなり悩み苦しんだに違いない。

それは表情を見れば、明らかだった。

 

それにしても彼女は一体どうやって、その状況を乗り越えたのだろう?

 

「安奈さんは、その時、どうやって、その不安を解消したんですか?」

「私の場合は悩んだ末、探偵さんを雇って浮気調査してもらったわ。そうしないと私自身の心が持たなかったし、ハッキリさせた方がお互いの為になるから」

 

「お互いの為ですか…。確かにそうですよね」

 

その言葉は十分に納得できるものだった。

 

そして…私の中で、取るべき道が明確になる。

正直、相談して良かったと思った…。

 

こうして、ママ会は恙無(つつがな)く終了し、私は改めて早苗さんに相談を持ちかけた。

 

「早苗さん、少し相談があるのだけど…」

「はい、何でしょうか奥様?」

「実は例の件のことなんだけど…」

「例の件…あ、旦那様のことですね?」

 

彼女にそう問われ、無言で頷く。