NOVEL

年収一億超えの妻たち vol.1~結婚記念日なのに~

今までまともに会話もできず、男性との接点も思いの他なかったため、本音をいえば婚活パーティに対してあまり期待はしていなかった。

しかし、私には他に選択肢がない。

だからこそ、婚活パーティに頼るしかなかったのである。

 

でも、その日は予想に反して、意外な出会いが訪れた。

その出会いとは現在の夫・翔平との出会いである。

「久し振りだね、宮坂さん」

そう声をかけてきたのは一度、面識があったからだ。

 

その面識とは会社間の縁によるものである。

彼は名古屋市内にあるIT企業の代表取締役社長であり当時、社長秘書だった私は彼を社長室に案内した。

そんなこともあり彼は私に好意的だったのである。

 

何せ「礼儀正しく御淑やかで、その上、落ち着いた大人の色気のある良い秘書ですね、彼女は」と社長に言うくらいだ。

余程、気に入られていたのだろう。

だが、そんな事があったからこそ、私が婚活パーティに参加していることが意外だったらしい。

 

しかし、それは、こちらにしても同様だった。

経営する会社はかなり大企業であり、結婚相手には困らない印象があったのだけど…何でこんな所にいるのだろうか?

正直、疑問しかなかった。

「宮坂さん、君が婚活パーティに居るのは正直、意外だったな」

でも、そんな私の思いなど、そっちのけで翔平は婚活パーティに参加した理由を聞いてきた。

結局、無下に出来るはずもなく…。

 

私はその問いに答えた。

しかし、それを聞くなり今度は彼が、婚活パーティに参加している理由を話し始める。

話によれば、ある程度想像していた通り、お見合いの話はそれなりにあったそうだ。

だけど彼曰く、誰かに伴侶となる者を決められるのは好きではないらしい。

そういった理由から、彼は自分の結婚相手を探すために婚活パーティに応募したのだそうだ。