NOVEL

引きこもり女の裏側 vol.3 ~人生初のデート~

一目惚れされた男性とデートをすることになった彼氏いない歴26年の女。

デート後の彼女の胸の内は・・・

 


前回:引きこもり女の裏側 vol.2 ~とある出会い~

 

人生初のデート相手が、一目ぼれされた人と。

人生初のデート場所が、プラネタリウム。

しかも、相手はイケメンで目を惹く高身長。

一体どれだけの人が憧れる状況だろう。

シチュエーションとしては悪くない。

 

 

3人で会ったあの日、塚本と連絡先を交換した。

毎日やりとりをする中で展開は早く、その週の日曜日に、実際に二人で会う約束をした。

 

 

10時に白川公園駐車場で待ち合わせ。

名古屋市科学館で星を見たあと、ランチに行く予定だ。

塚本は車で迎えに行くと言ったが、幸枝が初デートだからまだいい、とお断りした。

いくら塚本に対して警戒心があまりないとはいえ、最初の距離感は大事だ。

 

 

10時少し前に駐車場へ着き、連絡をいれる。

〝もう着いてるよ

という返信とともに、塚本が黒のレクサスから颯爽と降りてくる。

幸枝に向かって手を挙げる。

それに応えて幸枝も小さく手を上げると、小走りで向かってくる塚本の

服装はシンプルに明るい色でまとめられていた。

 

 

「お待たせしてすみません。」

「いや、俺も今来たところだから気にしないで。それより、服似合ってる。かわいいね。」

 

オフホワイトのVネックニットトップスにベージュのAラインロングスカート。

ネットでデート用のコーディネートを調べ、お手本を一式買った甲斐があった。

 

―意外と男性はファッションを見るんだな。

この日のために思い切って5万円するクロエのバッグも買っていてよかったかもしれない。