NOVEL

2番目の女 vol.8 〜既読にならない週末〜

 

1年記念日に高級レストランでケーキの中に入っている箱。そんなの答えは1つしかないはずなのに、思わず「これ何?」と大輔くんに聞いてしまう。大輔くんは笑って私の手から箱を取り、包装を解く。そして箱を私の方へ向けて開けながら真剣な表情で述べた。

 

「結婚してくれませんか」

 

箱の中から出てきたのは、指輪。一目でわかる婚約指輪。気付けば周りは静まり返り、私たちの方へ視線が集まっている。

 

きっと、レストランの人にも協力してもらったプロポーズなのだろう。大好きな愛する人からのプロポーズ。それに対する答えなんて、とっくに決まっている。私は迷わず大輔くんの手の中にある箱から指輪を取り出した。

そしてその指輪を左手の薬指にはめる。サイズはぴったり。「友梨さんが寝ているときに、指のサイズ測ったんです」と照れ臭そうな大輔くん。その笑顔をずっと近くで見ていたいと思った。私は指輪をはめた手を差し出して、大輔くんの手を握る。

 

「私も、大輔くんと結婚したいです」

 

私の答えに嬉しそうな表情をする大輔くんを見て、周りから拍手が起きる。この日の私は幸せな気持ちでいっぱいだった。やっと翔太のことを忘れて、幸せの一歩を踏み出すことができたのだ。

 

 

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 幸せを手に入れるために一歩を踏み出すことが大切なのかも知れない。そんな一歩を踏み出すことが出来た友梨はついに結婚式を迎えていた・・・