NOVEL

婚活物語―ハイスペ男と結婚したい―vol.5〜結婚へ向けた第一歩。高級結婚相談所への入会を決意〜

 

結婚相談所のサイトを開くと、黒を基調とした高級感溢れるページが目に入る。どうやら女性向けのページに飛んだようで、トップページには入会する男性の条件が書かれている。それは大学卒業以上の学歴を持っているかつ、年収が1,000万円以上であること。

 

男性に対して厳しい条件が課せられる高級結婚相談所。一方女性に対して、学歴は短大卒業以上とそこまでハードルは高くないが「心が美しい女性」という条件が書かれていた。

 

だけど、私は自分を偽ることは得意だ。さらに自慢のルックスも持ち合わせている。結婚してしまえば、もうこっちのものだ。私はこの結婚相談所に入会することを決めた。

 

そこで私は、すぐに結婚相談所の説明を聞くことにした。予約フォームから必要事項を入力して予約する。どうやら相手の男性について希望を入力しておくと、説明の段階で候補の男性を用意してくれるらしい。1日でも早く結婚したかった私は、自分の希望を入力することにした。

 

・年齢は35歳まで

・学歴は偏差値60以上の大学を卒業していること

・身長は170センチ以上

・年収は1,000万円以上

・職業は専門職もしくは一流企業

 

これでも、妥協した条件を入力したつもりだ。いわば、私の中での最低ライン。これよりも条件が低い人なんて、会う価値すらないと感じていた。そしてカウンセリングの日程も直近で空いている日を入力する。すぐにでも、婚活を始めたかったからだ。

 

フォームを送信すると、すぐに「受付が完了しました」と自動メールが届く。あとは、結婚相談所からの連絡を待つだけ。私はワクワクしながら結婚相談所からの連絡を待った。

 

次の日、仕事の昼休み中に近くのカフェでランチをしていると、見知らぬ番号から電話が来る。もしかしたら仕事の電話かもしれないと思い、「はい、松村です」と電話を取ると「初めまして、お問い合わせいただいておりました結婚相談所の阿部と申します」と柔らかな雰囲気の口調をした女性の声が聞こえた。


私が第一希望として入力していたのが、今週の土曜日の13時。その時間に空きがあったため、連絡をしたとのことだった。さすが高級結婚相談所ということもあり、電話の対応も丁寧だ。これだけ担当の人の対応が丁寧であれば、男性会員も多いことだろう。

 

私自身もこの結婚相談所に対する信頼度は上がった。それと同時に、入会するならこの結婚相談所でなければ意味がないと思った。

 

「土曜日の13時から、もしお越しいただけるのであれば今から予約を確定しますがいかがされますか?」

 

「その日程でお願いします」

 

私は即決し、予約を確定した。