日本では少子化により、子どもに質の高い教育を受けさせたい親が増加しています。近年は特にグローバル化が進み、世界で活躍する人材に育ってほしいと願う親御さんも増えてきました。今回の記事では、0歳〜6歳における様々な教育方法について詳しく見ていきましょう。
幼児教育の本質:学びの基礎を育む
幼児教育と聞くと、小学校入学のための教育と思われがちですが、そうではありません。また、受験のために幼い時期からお受験専用の塾に通うなどする早期教育とも異なります。
幼児教育とは、幼児の内面や気持ちに働きかけ、その子の良さを引き出したり伸ばしたりしていくもの。0歳~6歳までの就学前の時期は、勉強というよりも五感を使い多様な経験を積み、好奇心や探求心、学びに向かう力や人間性などを育むことが重要です。
時代と共に、幼児教育が行われる環境も大きく変化しています。現代は、デジタル時代に向けた幼児教育についての本なども出版されるほど、子どもにスマートフォンやタブレットを触らせる機会がグッと増えました。デジタル機器は保護者にとって、忙しい時は助かる反面、発達への影響が気になるところです。
代表的な幼児教育メソッドの紹介
幼児教育の目的としては、勉強ができる子を育てるというわけではなく、人格の形成や学習の基盤を作ることに重点が置かれます。そのような基盤をしっかりと作ることで、後々の学習への効果が期待できるというわけです。
そんな幼児教育ですが、海外のように「個性」を重視し、個々の能力や可能性に合わせた指導も多いよう。それでは、いろいろな幼児教育のメソッドを見ていきましょう。
<シュタイナー教育>
「自由への教育」と呼ばれるシュタイナー教育。人間の発達を7年で一区切りと捉え、全体的な成長を重視し芸術や実践活動を通して、感情的、身体的、知的な発達を促します。穏やかで柔らかく暖かい環境を重要とし、自然との接触や創造的な遊びを多く取り入れる教育法です。
<モンテッソーリ教育>
「自己教育力」を育むモンテッソーリ教育。子どもの「やりたい」という気持ちを尊重し、自分の意志を大切にしてもらえる経験を積み重ね、自己肯定感や自律性、集中力、決断力や行動力を促します。日常生活を大事にする考え方が強いので、運動会やクリスマスなどの行事は控えめに行われることが多いようです。
<レッジョ・エミリア・アプローチ>
子どもの意見やアイディアを尊重し、プロジェクトと呼ばれるテーマ発展型活動を通じて学ぶレジョ・エミリア・アプローチ。子どもの活動を写真や動画などの視覚的な資料を用いて可視化することや、芸術教育にも力を入れています。
<ドーマンメソッド>
五感を刺激して脳の発達を促進するドーマンメソッド。ドッツカードやフラッシュカードなどを用いた教育法もその中のひとつです。多様な学習素材を使用して、知的能力を高めます。
<ニキーチン教育>
子どもの自主性に任せて、課題に取り組みながら子どもの潜在能力を引き出すニキーチン教育。あえて危険な環境を与えて、自分で解決していく力を育みます。難しいことを幼少期からやらせることで、潜在能力を高めていくという考え方が特徴です。好奇心や想像力を育みます。
<ピラミッドメソッド>
子どもの自立心と社会性を育むことに重点を置くピラミッドメソッド。遊びの種類をいくつか用意し、その中から自ら遊びを選択します。個性、情緒、運動、芸術、知覚、言葉、思考、空間、時間の理解を育む教育法です。
<石井式教育法>
漢字をメインとした教育法の石井式教育法。幼児期にはひらがなよりも漢字から始めた方がよいという考え方に基づき、視覚的に漢字を捉えます。漢字が複雑だからこそ、ひらがなよりも判別することが簡単だそうです。自然に漢字を学び、語彙を育みます。
<ヨコミネ式教育法>
読み、書き、計算を通して自ら学ぶ力を育てるヨコミネ式教育法。学力の向上ではなく、生きるために必要な知識を自ら学ぶ力を育みます。
教育と聞くと、家庭外で受けるものというイメージがあるかもしれませんが、幼児教育においては必ずしも塾やスクールに通わせる必要はありません。広く考えると、家庭や地域などの生活全般の知識や能力も幼児教育に含まれるでしょう。日々の生活の中で、両親や祖父母が子どもの成長に配慮し意識的に接することで、子どもの成長に大きな違いが生まれるというわけです。
まとめ
いかがでしたか。
紹介した以外にもさまざまな教育法があるようです。心身ともに、に成長し、就学後に意欲的に学習に取り組む姿勢を育むためにも幼児教育それぞれの考え方や方法を理解し、ピタリと当てはまる教育法を見つけることがポイントです。
次回は、成長の特徴とそれに応じた適切なアプローチ方法についてご紹介します。
Text by yumeka