GOURMET

“利他の心”で贅を尽くすもてなし。「はまぐり料理 利他」<前編>

 

“利他の心”という言葉がある。

自分のために物事を考える“利己”ではなく、人のためになる行いをする“利他”であれ、という意味だ。

頭ではわかっている。しかし実践できているだろうか…と自問すれば、日々自分の言動に恥じ入るばかりだ。

今宵は「はまぐり料理 利他」で一息つきながら、今一度自分を見つめ直すとしよう。

産地の異なるはまぐりを好みの味わいで

 

 

3丁目の煌びやかな誘惑と雑踏をすり抜けながら、「利他」を目指す。

エレベーターで2階に上がるとすぐに入り口になっているのは、嬉しい限り。

店内に入ってまず圧倒されるのが、この一枚板の立派なカウンター。

そして壁に掛けられた「利他」の言葉にも、目を奪われる。

 

 

その言葉の一つひとつを目で追い、思わずうなずきながら、この額の前に腰を据えた。

その日に仕入れた産地の異なるはまぐりを、客の好みの調理法で提供してくれる同店。

そんな店ならばやはりカウンターに座り、腕利きの料理長や店長と話しながらおいしくいただくに限る。

しかしながら、ビジネスの大切な接待のシーンや、大切な人と密なひとときを過ごしたいなら、奥の個室を選ぶといい。

一通り好みを聞いたら、あとは雰囲気を見て絶妙なタイミングで料理を出してくれるからだ。

高貴な紫のインテリアが、心を落ち着かせてくれる。

 

 

このように、高級感はあれど気取っていないのが同店の魅力。

今日ははまぐりをどのようにいただこうか決めかねていると、

店長の森健太郎氏が気さくな雰囲気で声をかけてくれる。

 

 

「本日は、大きな千葉県産のはまぐりが入りました。この魅力を存分に引き出したスパイシーな一品はいかがですか?」

その一言に、一も二もなく首肯する。

何度訪れても飽きさせない料理を出すことにかけて、彼は一流だ。

長く研鑽を積んできた和食をベースにしながらも、

洋風・中華風など多国籍なエッセンスをほんの少し取り入れて、独創的な料理を作り上げる。

そこに、同じく調理場に立つ料理長の山本真義氏のイタリアンも加われば、料理の幅は無限大だ。

ひとりで来てももちろん楽しめるが、連れと一緒ならばさらに楽しい。

料理が運ばれてきた瞬間の驚いたような笑顔が、見られるからだ。

食欲をそそるガーリックやカプサイシンの香りが漂い始める。本日のスペシャリテとの出会いは、もうすぐのようだ。

 

 

 

<店舗情報>

はまぐり料理 利他

名古屋市中区錦3-13-28 セントラルタワー錦2F

052-888-3456

17:00~25:00LO.24:30

日・祝休

https://www.lita-hamaguri.com/

 

※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。

 

 

 

 

<後編へ続く>